夜勤明けの朝、家に帰ってもうまく眠れない。次の夜勤が近づくと、その日の予定を組む気力もわかない。放射線技師の夜勤や当直がつらいと感じているなら、その重さは気のせいではありません。
先に、結論から。夜勤のつらさは、我慢するしかないものではなく、減らせる余地があります。この記事では、今の職場でできる工夫から、職場ごと変える方法まで、負担を軽くする3つの道を順番に紹介します。
現役の診療放射線技師(10年目)のアルです。私も月に6回を超える当直をこなす月があり、夜勤のしんどさは身をもって分かっています。この記事でわかるのは、①夜勤がつらい本当の理由 ②負担を減らす3つの道 ③夜勤を減らすと出てくるお金の問題と対策、の3つです。
夜勤がつらいのは、あなたが弱いからではない
夜勤に慣れない自分を責めてしまう人がいます。周りは平気そうにこなしているのに、自分だけがしんどい、と。でも、夜勤の負担は根性でどうにかなるものではありません。
体は本来、夜に休むようにできています。それを仕事のために逆転させ、しかも仮眠すら満足に取れない。夜中に体を起こして集中力を求められる働き方は、それだけで大きな負担です。つらいと感じるのは、体が正常に反応している証拠です。
私が感じる、夜勤の一番のしんどさ
夜勤のつらさというと、多くの人は「眠れないこと」を思い浮かべます。それも確かにあります。仮眠を取ろうとしても、救急車の音やスタッフが動く物音で、浅い眠りのまま朝を迎えることは珍しくありません。
ただ、私が一番こたえるのは、別のところです。自分の都合ではなく、検査が入るかどうかで叩き起こされる、というコントロールできないところです。いつ呼ばれるか分からない緊張感の中で待機し、呼ばれれば即座に対応する。この受け身の緊張が、体だけでなく心も削っていきます。
夜勤って、身体がしんどいのはもちろんなんですが、それ以上に「自分でペースを決められない」のがきついんです。眠れても、いつ呼ばれるか分からないから気が休まらない。この身体と心の両方に来る感じは、経験しないと伝わりにくいですよね。
ここから、負担を減らす3つの道を順番に見ていきます。先に全体像を並べておきます。
| 3つの道 | 向いている人 | 始めやすさ | 収入への影響 |
|---|---|---|---|
| 道1 今の環境で工夫する | とにかく今すぐ少し楽になりたい | 今日から | 変わらない |
| 道2 院内で回数を減らす | 職場に不満はなく、夜勤だけ減らしたい | 数週間〜(相談が必要) | 手当の分だけ下がる |
| 道3 夜勤の少ない職場へ移る | 工夫も相談も効かなかった | 数か月 | 職場しだいで上げられる |
【道1】今の職場で、夜勤の負担そのものを軽くする
いきなり転職を考える前に、まず今の環境でできることがあります。私が実際にやっていて、少しでも楽になった工夫を紹介します。
- 適度に運動する:日中に体を動かしておくと、仮眠のときに寝つきやすくなります。激しい運動でなく、軽く歩く程度でも違います
- 休めるときに、迷わず休む:「まだ大丈夫」と無理をせず、少しでも横になれる隙があれば休む。細切れでも積み重ねると回復が変わります
- アイマスクを使う:仮眠室が明るかったり、人の出入りがあったりする環境では、視界を遮るだけで眠りの深さが変わります
どれも小さなことです。ただ、夜勤そのものは変えられなくても、夜勤中の過ごし方は自分で変えられます。次の道に進む前に、まずはここからです。
【道2】院内で、夜勤の回数を減らせないか動く
工夫だけでは足りないとき、次の一手になるのが、今の職場で夜勤の回数そのものを減らす相談です。
たとえば、夜勤の少ない部署への異動を希望する、体調を理由に回数の調整を相談する、といった方法があります。言い出しにくいと感じるかもしれませんが、体を壊してから長く休むより、その前に手を打つほうが、あなたにとっても職場にとっても得です。黙っているうちは、選択肢だけが減っていきます。
ただし、施設によっては人員の都合で希望が通らないこともあります。その場合は、次の道を現実的に考えるタイミングです。
【道3】夜勤の少ない職場に、環境ごと移る
今の職場でどう工夫しても夜勤が減らせないなら、夜勤の少ない、あるいは無い職場に移るという道があります。
健診センターやクリニック、日勤中心の施設など、放射線技師の資格を活かせる場で、夜勤の負担が軽い職場は確かに存在します。実際、私が過去に転職活動をしたときも、当直がなくなり、なおかつ年収が上がるという求人の提示を受けたことがあります。夜勤ありきの働き方は、当たり前ではありませんでした。
どんな職場があるかを具体的に見たいなら、私が実際に使ったサービスをまとめた放射線技師の転職サイトはどれがいい?現役技師が2社に絞って比較が参考になります。登録しなくても、夜勤の条件つきで求人を眺めるだけで相場がつかめます。
見落としがち:夜勤を減らすと、収入も減る問題
夜勤を減らすときに、必ず向き合うことになるのがお金の問題です。
多くの職場では、低めの基本給を当直手当で補う構造になっています。つまり、夜勤を減らすと手当のぶん年収が下がる、という落とし穴があります。ここを知らずに減らすと、慌てるのは翌月の給与明細を見たときです。
動く前に、給与明細を1枚見ておく
当直手当が1回あたりいくらか、給与明細で確認しておいてください。1回減らすと月にいくら下がるのかが分かると、「何回までなら減らせるか」が数字で決まります。感覚で減らすより、線を引いてから動くほうが後悔しません。
つらいなら、我慢し続けずに行動を起こすことです。道は二つあって、一つは思い切って転職すること。もう一つは、今の職場で夜勤を減らして、その分をバイトで補うこと。ただしバイトは職場の就業規則しだいなので、そこは必ず先に確認してくださいね。
給料の仕組みと、下げずに夜勤を減らす考え方は放射線技師の年収は低い?現役10年目が給料の裏側を本音で解説で詳しく書きました。基本給の高い職場に移れば、夜勤を減らしても収入を保ちやすくなります。
夜勤を減らす前に、順番に試したいこと
いきなり大きく動く必要はありません。負担の小さい順に、次のステップで進めるのがおすすめです。
運動・こまめな休息・アイマスクなど、今日からできることで夜勤中の過ごし方を変える。
異動の希望や、回数の調整を上司に相談する。限界まで我慢する前に、早めに動く。
夜勤の少ない職場を、まずは求人を見るだけでも比べてみる。収入の下がり幅も一緒に確認する。
大事なのは、いきなり辞めることではなく、負担の軽い方法から順に試すことです。失うものを最小限にしながら、自分に合う落としどころが見つかります。
よくある質問
- 夜勤がつらいのは、慣れれば解消しますか?
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ある程度は慣れますが、体への負担そのものが消えるわけではありません。夜間に働く負担は、根性ではなく仕組みの問題です。慣れないからといって自分を責める必要はありません。工夫で軽くしつつ、それでもつらければ回数を減らす方向を考えて大丈夫です。
- 夜勤を減らしたいと上司に言うのは、わがままですか?
-
わがままではありません。体調を守るための正当な相談です。人が倒れてから代わりを探すほうが、職場にとっては痛手になります。切り出しにくければ、まずは「月に1回だけ減らせないか」という小さな相談から始める手もあります。
- 夜勤を減らすと年収が下がるのが不安です。
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その不安は当然です。多くの職場が当直手当で年収を補う構造だからです。対策としては、基本給の高い職場に移る、夜勤を減らした分をバイトなどで補う、といった方法があります。ただし副業は就業規則の確認が必須です。
- 夜勤のない放射線技師の職場はありますか?
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あります。ただし、扱う検査の種類や給与の仕組みは病院と変わることが多く、夜勤が無い代わりに基本給が低い職場もあります。夜勤の有無だけで決めず、条件全体を見て比べてください。
まとめ|夜勤のつらさは、順番に減らしていける
放射線技師の夜勤・当直のつらさと、その減らし方を整理してきました。
- 夜勤がつらいのは弱さではない。体が正常に反応しているだけ。特に自分でペースを決められない受け身の緊張が心身を削る
- 道1|今の環境での工夫:運動・こまめな休息・アイマスクで、夜勤中の過ごし方を変える
- 道2|院内で回数を減らす:異動や回数調整を、限界の前に相談する
- 道3|夜勤の少ない職場に移る:資格を活かせる日勤中心の職場は存在する
- お金の落とし穴:夜勤を減らすと手当分の収入が下がる。基本給の高い職場かバイトで補う(副業は就業規則確認)
夜勤は、ただ耐えるしかない働き方ではありません。今日できる工夫から順に試し、それでも変わらなければ環境を変える。動いた人から、夜に眠れる生活を取り戻せます。
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