迷ったらココだけ:この記事の結論
- 前提 → 求人票と現実のずれは、どの職場にもある
- 見分け方 → 求人の出る間隔と、検査件数と技師の人数のバランスを見る
- 内情 → 自分では聞かず、エージェントに「なぜこの求人が出たのか」を聞く
「次の職場も、入ってみたらブラックだったらどうしよう」。今の職場がつらくて転職を考えていても、この不安があると応募ボタンが押せません。求人票に書かれるのは、たいてい良いことだけ。なおさら不安になります。
だから私は、完全なホワイト職場を探すより、求人票とのずれがどれくらい大きいかを入る前に確かめるほうが現実的だと考えています。病院でもクリニックでも、見方は変わりません。
現役の診療放射線技師(10年目)のアルです。以前、パワハラやモラハラだと感じる言動のある職場で働いたことがあります。この記事では①私が働いた職場で見たこと、②求人の出方と人数で見分ける方法、③内情をエージェントに聞く2つの質問、を話します。
求人票とずれのない職場は、たぶんありません
求人票に書いてあることと、入ってからの現実。この2つにずれがない職場を、私は知りません。残業、当直、人間関係、任される検査。どこかしらに「聞いていたのと違う」は出てきます。
そこで私は、ブラックかどうかを白と黒で分けていません。見ているのは、ずれが大きいか小さいかと、そのずれを自分が許せるかどうかです。
同じ職場でも、残業が多いのは平気で人間関係の悪さは耐えられない人もいれば、その逆の人もいます。自分にとって何が許せないのかを先に決めておくと、見るべきところが絞れます。職場の種類による働き方の違いは、放射線技師は病院とクリニックどっちがいい?で詳しく書いています。
私が働いた職場で見た「ブラック」
以前いた職場の一つでは、ミスをした職員に対して、パワハラやモラハラだと私が感じる言動がありました。
このときの私は、自分で直接応募していました。入る前に気づけたサインは、何もありませんでした。こうした職場の空気は、求人票にはまず書かれていません。
だから今は、求人票の外側から確かめられることを見ています。
ミスへの向き合い方は、その職場の本当の姿が出るところです。ただ、入る前にそこを自分の目で確かめるのは、正直かなり難しいと感じています。
見分け方①:同じ求人が数ヶ月ごとに出ていないか
私は普段から、定期的に求人を見ています。続けていると、同じ職場の募集が数ヶ月ごとにまた出てくることに気づきます。
短い間隔で募集を繰り返している職場は、職員がすぐに辞めている。入った人が定着しない理由は、職場の側にあることが多いと考えています。
ただし、求人が出る理由は辞める人だけではありません。
| 求人が出る理由 | 心配の度合い |
|---|---|
| 辞めた人の穴埋め(欠員) | 数ヶ月ごとに出るなら大きい |
| 装置が増えた・検査を増やす | 小さい(人を増やす募集) |
| 産休・育休の代わり | 小さい(期間が決まった募集) |
| 定年で辞める人の後任 | 小さい(何年かに一度の募集) |
1回の求人だけを見ても、どの理由かは分かりません。何ヶ月か続けて見ていると、繰り返しているかどうかが分かります。今すぐ動きたい人は、見分け方③のように担当者に聞くと、ある程度補えます。
見分け方②:検査件数と技師の人数が釣り合っているか
見学や面接で私が一番見ているのは、検査件数と技師の人数のバランスです。件数と人数は、面接でそのまま質問して確かめています。1日あたり何件くらいで、技師は何人なのか。働く条件の話なので、遠慮なく聞けます。
件数に対して人が少なければ、一人あたりの負担が重くなります。休憩が取れない、残業が当たり前、ミスが起きやすい。忙しさでぎすぎすした空気は、人間関係の悪さにもつながります。
反対に、件数が多くても人数がそろっていれば、忙しさは分け合えます。「件数が多い=ブラック」ではなく、人数との釣り合いで見るのがポイントです。
面接の前に知りたければ、ホームページに部門ごとの検査件数や技師の人数を載せている病院もあります。年間の件数と人数が載っていれば、件数を人数で割って、今の職場と比べてみるのも一つの方法です。
ただし、検査の種類や非常勤の人数で数字は変わります。あくまで目安として使い、見学の前に調べておくと、現場で見るべきところがはっきりします。
見分け方③:エージェントに「なぜこの求人が出たのか」を聞く
私が読者の方に一番勧めたいのは、この聞き方です。転職エージェントの担当者に、次の2つを聞いてみてください。
エージェントに聞く2つの質問
- なぜ、この求人が出たのですか?
- ご存じであれば、前回この職場の求人が出たのは何年前ですか?
聞くタイミングは、求人を紹介されたときか、応募を決める前が自然です。次のように聞くと、角が立ちにくいはずです。
「応募を考えているので、差し支えなければ、この求人が出た理由と、前回の募集がいつだったかを教えてください」
1つ目で募集の理由が、2つ目で職員の出入りの多さが分かります。たとえば「定年の方の後任で、前回の募集は5年以上前」なら人の出入りが少ない職場、「前回は半年前」なら人の入れ替わりが激しい職場かもしれない、と見当がつきます。
自分で求人を見続けるのは、時間がかかるもの。前回の募集がいつだったかは、職場とやり取りしている担当者のほうが知っていることがあります。
私が放射線技師人材バンクを使ったときは、応募先の職場の内情や、過去の面接で聞かれた質問を教えてもらえました。自分で調べても出てこない話です。エージェントへの登録を勧める一番の理由も、ここにあります。使ってみた感想は、放射線技師人材バンクの評判にまとめています。
正直に書くと、この2つを私自身が聞いて確かめたわけではありません。あの職場の求人はエージェントの扱いではなく、自分で応募したからです。それでも、内情や過去の面接の話を教えてもらえた経験から、聞けば答えてもらえる範囲はあると考えています。
ただし、担当者がすべてを知っているとは限りません。分からないと言われたら、見分け方①②や見学で補います。担当者の話も、自分で見た求人の出方や人数と照らし合わせると、判断を外しにくくなります。
聞きにくいことは、自分では聞かない
人の出入りや人間関係は、入る前に必ず確かめたいことです。ただ、「職員はよく辞めますか」「人間関係はどうですか」と、私は面接で自分からは聞きません。職場の人間関係や空気は、入る側の私には変えられないからです。
変えられないからこそ、入る前に知りたい。その気持ちは分かります。ただ、面接の場で聞いても本当のことが返ってくるとは限りません。だから私は、自分では聞かずに、見分け方③のようにエージェント経由で確かめています。
一方で、当直に入る時期や回数、検査件数や技師の人数のような働く条件は、自分で具体的に聞きます。条件は収入に直結するからです。決める前に確かめたいことは、放射線技師の転職で失敗する人の共通点にまとめています。
入る前にブラックを避ける3ステップ
ここまでの話を、応募までの順番に並べました。
残業、当直、人間関係など、自分がどうしても許せないことを1つか2つ決めます。完全な職場はないので、全部を満たす職場を探さないのがコツです。
気になる職場の求人が、数ヶ月ごとに出ていないかを見ます。検査件数や技師の人数が分かれば、あわせて確認します。
応募を考えたら、担当者に「なぜこの求人が出たのか」「前回の募集は何年前か」を聞きます。そのうえで見学や面接に進み、検査件数と技師の人数を直接聞いて、釣り合いを確かめます。
どの転職サービスを使うか迷ったら、放射線技師の転職サイト比較で違いを比べています。
よくある質問
- いつも求人が出ている病院は、全部ブラックですか?
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そうとは限りません。大きな病院は職員の数が多いので、辞める人や休む人も一定数いて、求人が出やすくなります。職場の規模に対して募集が多すぎないか、同じ職種を短い間隔で繰り返していないかで見ています。
- 見学では、何を見ればいいですか?
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一番見るのは、検査件数と技師の人数の釣り合いです。面接で「1日あたり何件くらいですか」「技師は何人ですか」と直接聞いて確かめています。件数に対して人が少ない職場は、一人あたりの負担が重くなりやすいと考えています。
- 今の職場がパワハラかもしれないときは、どうすればいいですか?
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一人で抱え込まないでください。職場に相談窓口があれば使えますし、職場の外なら、各都道府県の労働局や労働基準監督署などにある総合労働相談コーナーで、予約なし・無料で、面談か電話で相談できます(厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」より)。
- エージェントに聞けば、必ず内情が分かりますか?
-
必ずではありません。私の場合は教えてもらえましたが、担当者が知らないこともあると思います。分からない部分は、求人の出方や見学で見たことと合わせて判断しています。
まとめ|ブラックかどうかより、ずれの大きさを見る
求人票と現実の差は、どの職場にもあります。大事なのは、その差が大きすぎないかを入る前に確かめることです。
見るところは3つ。求人の出る間隔、技師一人あたりの検査件数、そして担当者への2つの質問です。
人間関係のように自分では変えられないことは、面接で無理に聞かなくて構いません。まだどこにも登録していないなら、まず1社に登録して、気になる求人について2つの質問をしてみてください。聞いたからといって応募する必要はなく、合わない求人は断って大丈夫です。断り方も含めた実際の使い方は、放射線技師の転職エージェントの使い方にまとめました。









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